ビットコイン現物 1時間足の攻略法

前回までの記事で、ビットコインFX1時間足の攻略法を検証しました。ビットコインFXはビットコインそのものとは異なります。
レバレッジをかけることができ、空売り(ショート)することもできます。このため現物とはかなり異なった値動きになっています。

そこで今回は空売りができない取引所のレートを用いてビットコイン現物の攻略法を検証します。
前回までと同様、今回もVolty Expan Close StrategyというTradingViewに最初から入っている内蔵ストラテジーを使います。ビットフライヤーのBTCFXではかなりの好成績が出ました。BitMEXのBTCFXでも良好な成績が出ました。

■初期条件の設定

テスト対象はビットフライヤーのBTC/JPYです。
対象期間は2018年の1月1日から2019年の8月12日までです。
ストラテジーはVolty Expan Close Strategyで、NumATRsは2に固定し、期間を1から順に条件が悪くなるまで増やしていきます。
取引量は1BTC固定です。
売買ルールを探るときはまず手数料やスプレッドを考慮せずに検証し、有望そうな売買ルールが見つかった場合に最終的に手数料やスプレッドを考慮するほうが効率よく探索が進みます。しかし、今回は有望であることがほとんど分かっている売買ルールを使うので、最初から手数料を考慮します。取引手数料は0.01%、スプレッドは1000円(=片道500円)に設定します。

NumATRsを2に固定したまま期間を1から増やしていきます。


BTC/JPYでは1ティック1円になっているので、スリッページを500ティックに設定することで片道500円=往復1000円のスプレッドを設定できます。

※TradingViewでは1ティックがいくらになっているかは銘柄ごとにマチマチなので、都度確認する必要があります。

※ドテン売買のロジックのため損益グラフには売り立て(ショート)の利益も入っていますが、今回は現物なので実際には買い→売りのトレードだけが有効です。とはいえ、ロング(買い)もショートもプラスになるロジックであれば、ロングだけを行っても利益になりますし、「下がる前に売れている」と解釈することもできます。なので、ショートまで入っていることの考慮はいったんおいてテストします。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、この条件でバックテストを行いました。

■ビットコイン現物1時間足を超短期Volty Expan Close Strategyで攻略

NumATRs=2、スプレッド=500、手数料=0.01%に固定し、期間のみを1から1つずつ増やして損益グラフの変化を見ていきます。

期間1の損益グラフ

まずは期間1の損益グラフです。
利益は+314万円、最大ドローダウンは32万円、平均トレード利益は5080円。
十分優秀な損益グラフと言えると思います。

期間2の損益グラフ


利益は+331万円、最大ドローダウンは28万円、平均トレード利益は6700円。
すべての要素において期間1の場合を上回っています。

期間3の損益グラフ

利益は+335万円、最大ドローダウンは41万円、平均トレード利益は7600円。
期間2に比べて利益は微増ですがドローダウンは大きく増加。
ただし平均トレード益も増えています。

期間4の損益グラフ


利益は+220万円、最大ドローダウンは41万円、平均トレード利益は5020円。
これまでの期間設定に比べて利益が大きく悪化しました。
たまたま悪い期間設定にハマったのか、それともこれ以上の長期設定は不利になるのかはまだわかりません。もう少し見てみましょう。

期間5の損益グラフ


利益は+291万円、最大ドローダウンは47万円、平均トレード利益は7200円。
利益、平均トレード利益は持ち直しましたが、最大ドローダウンは拡大しました。
雲行きが怪しくなってきましたね。

期間6の損益グラフ


利益は+345万円、最大ドローダウンは45万円、平均トレード利益は8800円。
さらに悪化するかと思いきや、最大利益更新です。ただしドローダウンは大きいまま。
平均トレード利益もこれまでの最大です。

期間7の損益グラフ


利益は+279万円、最大ドローダウンは70万円、平均トレード利益は7400円。
平均トレード利益は大きいものの、最大ドローダウンが跳ね上がりました。そろそろ潮時かもしれません。

期間8の損益グラフ


利益は+277万円、最大ドローダウンは69万円、平均トレード利益は7500円。
期間7とほぼ同じです。

期間9の損益グラフ


利益は+244万円、最大ドローダウンは69万円、平均トレード利益は6700円。
期間7や8よりさらに不利になりました。

この先は総利益が減ってドローダウンが拡大し、平均利益が減っていきます。

これからどれかを選んでトレードするとしたら、みなさんはどの設定を使いますか?
結果だけ見れば期間6が最もいいパフォーマンスを出していますが、私は期間2か期間3を使います。もしくは資金を2等分してこの2つの設定を同時稼働させます。判断理由は次の通りです。
期間2や期間3は期間6よりも利益額や平均利益は小さいですが、ドローダウンも小さく、取引回数が多いのでより多くの機会にエントリーでき、リスクを分散させられるという判断です。
別に1つの売買ルールに絞る必要はなく、有望なものを分散して使えばいいだけですが、もしも設定を1つに絞るとしたら期間3ではなく期間2を選びます。理由は期間4でいったんパフォーマンスが低下しているためです。場合によっては期間3も期間4のようなパフォーマンス低下があり得ます。期間4から遠い期間2のほうが安定する可能性が高そうだという判断です。

いずれにしてもビットコイン現物の売買でこんなパフォーマンスが出せたら素晴らしいですね。

次に、期間2の詳細なパフォーマンスを見てみましょう。

■ビットコイン現物1時間足 超短期Volty Expan Close Strategyのパフォーマンス

パフォーマンスサマリーは次の通りです。

このようなまとめがすぐに出てくるのがTradingViewの長所の一つですね。
ショート(空売り)でも大きな利益が出ていますが、残念ながら現物なのでショートはできません。「ロング」の部分を評価しましょう。

・純利益は142万円:総利益358万円、総損失216万円
・プロフィットファクターは1.66
なかなかいい数字だと思います。
・平均トレード利益は5770円
ちなみにショートの平均トレード利益は7600円と、だいぶ大きいです
・勝率は42%
勝率は単体ではあまり意味がなく、プロフィットファクターやペイオフレシオとセットで評価する必要があります。ほうが重要になります。
・平均勝ちトレードは34000円、平均負けトレードは15000円
平均の価値額と負け額を比率(ペイオフレシオ)と言います。
この売買ルールのペイオフレシオは2.245です。勝率4割でこの比率はとても好ましいです。

・トレードにおける平均バー数は27
1往復の取引に1時間足27本分の時間が平均でかかっています。つまり平均トレード時間は27時間ということです。
・勝ちトレードの平均バー数は40
・負けトレードの平均バー数は18
勝ちトレードの決済間隔は負けトレードの倍以上です。
損はさっさと見切りをつけて、利益はできるだけ伸ばすという勝ちパターンの鑑のような結果ですね。

ちなみに期間3の場合はこちらです。合わせてご覧ください。

■まとめ

レバレッジ取引とは異なり、現物取引では空売りができないのでチャンスは半減してしまいます。その反面リスクも小さいです。
とはいえ、「安い時に買って高い時に売る」を繰り返すのは現物取引でもレバレッジ取引でも同じです。
現物取引だけを扱っている取引所はレバレッジ取引よりもたくさんあります。また、レバレッジ取引は取引所ごとに独自の値動きをすることも多いです。現物取引を攻略すればより多くのチャンスを得られるでしょう。
次回は海外取引所バイナンスのビットコイン現物(BTC/USDT)にこの売買ルールが通用するか検討してみます。