EUR/USDの1時間足にブレイクアウト逆張りロングでアプローチ【中編】

前回の記事ではTrading Viewの公開ストラテジーである「Breakout Range Short Strategy Backtest」をEUR/USDの1時間足に適用し、Trade Reverseをオン設定にした場合の損益推移グラフを検証しました。

使用するストラテジー「Breakout Range Short Strategy Backtest」はもともとはチャネルブレイクアウトの順張りの売りロジックですが、「Trade recverse」にチェックを入れると売りと買いがそっくり入れ替わって逆張り型の買いロジックに切り替わります。
たとえば「Look Back」の設定期間が20で、かつ「Trade Reverse」にチェックを入れた場合では、過去20本分の最安値を更新したバーの次のバーの始値で買いエントリー(ロング)します。最安値が更新される限りは買いのままホールドし続け、最安値の更新が止まるとその次のバーの始値で決済するというロジックです。

このロジックはLookBackというパラメータ1種類のみです。LookBackはこのストラテジーが売買判断を行う際の計算に使用する期間(ローソクあるいはバーの本数)です。
「Trade Reverse」チェックボックスをオンにして逆張り型ロジックに変えたうえでこのパラメータを1から100まで変更してみたところ、いい損益推移グラフは見つかりませんでした。そこでさらに期間を延ばしてみたところ、徐々に損益推移グラフが好転してきました。ブレイクアウト逆張りショートの時と同じく、このストラテジーは長期のほうが有利になるようです。

今回は「Breakout Range Short Strategy Backtest」をトレード反転し、長期設定した際の検証結果ついて詳しくご紹介していこうと思います。

まずは前回の最後にご紹介した期間220の損益推移グラフを再掲します。

 

・「Breakout Range Short Strategy Backtest」EUR/USD 1時間足 LookBack=220 反転チェックボックスオン の損益推移グラフ

200未満の期間ではイマイチ形がよくありませんでしたが、220くらいから形がよくなっていきます。220という相当な長期設定のわりには205復も取引しています。21か月で203往復ですから、月に約10往復取引していることになり、設定期間のわりに取引頻度は多め
といえそうです。

期間をさらに増やしていきます。

・「Breakout Range Short Strategy Backtest」EUR/USD 1時間足 LookBack=250 反転チェックボックスオン の損益推移グラフ

総利益があまり変わらないまま、取引回数が1割減少し、その分平均利益が増えました。最大ドローダウンは変わらず、勝率とPFは少し上昇しました。期間220の時よりも好転しています。
どんどん見ていきましょう。

・「Breakout Range Short Strategy Backtest」EUR/USD 1時間足 LookBack=275 反転チェックボックスオン の損益推移グラフ

総利益が増え、PFと勝率は向上し、取引回数が減って平均利益が増えました。
最大ドローダウンは大きく減少しました。
損益推移グラフの形も好ましく、非常に良好な結果といえると思います。

・「Breakout Range Short Strategy Backtest」EUR/USD 1時間足 LookBack=300 反転チェックボックスオン の損益推移グラフ

最大ドローダウンはさらに減少しましたが、総利益も大きく減少しました。勝率と平均利益は低下して、PFは少し上がりました。また、損益推移グラフはより不安定な形になりました。ここから期間を増やしていくと、じわじわ悪化していきます。

・「Breakout Range Short Strategy Backtest」EUR/USD 1時間足 LookBack=400 反転チェックボックスオン の損益推移グラフ

期間300の時よりさらに悪化しています。この先は期間を変えてもそこまで大きく結果が変わりません。設定期間を長くし過ぎてもあまりよくなさそうです。

検証の結果、どうやら期間は250~300くらいが好ましく、理想的には期間275前後が最適のようです。

■ストラテジーの特性について
逆張りショートの時と同じく、このストラテジーは設定期間が長いほうが収益の安定感が増していく傾向があるようです。期間400など、ものすごく長い設定にするとそれ以上長くしてもあまり結果が変わりません。期間400~600までは似たような結果でした。期間に対する緩衝性が高そうなストラテジーです。

また、この売買ストラテジーには一般的なストラテジーにはめったにみられない特殊な側面があります。それは、計算期間を長くしても平均トレード時間が変わらないことです。これも逆張りショートの時と同じでした。

普通の売買ロジックは期間を延ばせば延ばすほど1回のトレードにかかる時間が長くなり、リスクも大きくなっていく傾向があります。しかし、この売買ロジックは期間を増やしても1回のトレード時間は変わっていません。

どこを見ればそれがわかるのかというと、「トレードにおける平均バー数」です。これは1往復のトレードの平均時間を表しています。普通は設定期間が長くなると平均バー数も増えます。つまり、1往復の取引時間にかかる時間が長くなります。
しかし、このストラテジーでは期間が5でも50でも500でも、「トレードにおける平均バー数」はすべて3でした。期間をどんどん長くしいっても、期間が短い時と同じように平均3本でトレードが完了しています。

「平均3本で決済する」ということは何を意味するのでしょうか。これは要するに、1往復の取引に使うバーの数が平均で3本ということです。すなわち、エントリーしたローソクから次の次のローソクで決済しているということです。このとき、トレードにバーを3本使ったことになります。

さらに、このストラテジーではエントリーと決済の両方に始値を採用しているので、平均バー数が3ということはエントリー時の始値から次の次のバーの始値までがトレード期間なので、平均2時間でトレードが終わっていることになります。

設定期間の長短に左右されずに、どのような設定期間でも平均トレード時間は2時間になる。これはかなり特殊な部類の売買ロジックです。

ちょっと難しい話になってしまいますが、一般化すると「過去n本の最安値をブレイクしてから安値更新を維持できるバーの本数は、nの大きさを問わず、平均3本である」ということですね。それくらい安値更新は途絶えやすいということでしょう。ちなみに、この3本という数字は高値更新をトリガーにするショート逆張り戦略の時と同じ値です。

おそらく、ほとんどの場合で1本も安値更新を継続できず次のバーで決済(2本)しているように思います。その一方で、まれに長く安値更新を維持することがあり、それによって平均バー数の平均値が押し上げられている。
このような挙動によってトレードにおける平均バー数が3本に収まっているのではないでしょうか。

次回の記事では、今回ご紹介した設定期間の中からピックアップしてパフォーマンスサマリーを見ながら、さらに詳しく検証していきます。