巨大取引所 Huobi Global(火幣集団)子会社の仮想通貨取引所 Huobi Japan

国内仮想通貨取引所Huobi Japanの親会社は海外の巨大仮想通貨取引所Huobi

Huobi Japan(フォビジャパン)は世界有数の巨大取引所 Huobi Global(火幣集団)の子会社が運営する国内仮想通貨取引所です。HuobiJapanはHuobiに買収されるまではビットトレードという取引所でした。親会社のHuobiは一時SBIVCとの提携の話があったほど有力な取引所です。

Huobi Japanのビットコイン出来高は?

親会社の取引板では現物とレバレッジ取引が共用されており、出来高は日本最大のLIQUIDの2倍近くもあります。しかし、Huobi Japanの出来高は残念ながら非常に小さく、2019年6月の出来高はわずか840BTCでした。
なぜこんなことになってしまっているのかというと、Huobi本家の板はUSDT建て、HuobiJapanの板は日本円建てとなっており、別モノになっているためです。察するに、USDTには様々な問題が指摘されていて、日本では認められていない仮想通貨なので、USDT建ての板を日本では共用することができないのでしょう。もしHuobi本家の板は非常に魅力的な取引環境なだけに残念です。

■Huobi Japanでアビトラをしたい場合は?

板が薄く、スプレッドが大きいので残念ながらアビトラに使うのは少々難しいと思います。記事執筆時時点で5000円以上のスプレッドがありました。ただし、参加者が少ない取引所はまれに大きくレートが乖離した状態が長時間続くこともあるので、アビトラ狙いの場合はいざというときのために口座を持っておいてもいいかもしれません。

■Huobi Japanはリップル(XRP)の板取引が可能だが出来高がとても小さい

日本ではビットコインに次ぐ人気があるリップルですが、Huobi Japanではリップルの板取引が可能です。しかし、出来高が非常に少なく、Huobi Japanの2019年の出来高はわずか1050万XRPでした。これだとなかなか普通の売買で使うのは難しそうです。
一方、本家Huobiのリップル出来高は日本最大のビットバンクの約2倍もの取引量となっており、そのうえレバレッジ取引も可能という非常に魅力的な取引環境になっています。ビットコインと同じく、こちらもHuobi本家との板を共有できていたらとてもありがたかったのですがUSDT建てですのでそうもいかないのでしょう。非常にもったいないと思います。

リップルを取引したい場合はビットバンク、LIQUID(QUOINE)、GMOコインを使いましょう。ビットポイントでもリップルの取引ができますが、2019年7月12日の仮想通貨流出事件を受け、記事執筆時点ではリップルを含む全取引が停止されています。

いい仮想通貨取引所の要件を評価

筆者が考えるいい仮想取引所の条件は次の通りです。
①セキュリティの高さ ②スプレッドの小ささ ③板の厚さ ④レバレッジ取引ができるかどうか ⑤手数料の安さ ⑥経営体の強さ
Huobi Japanについてこれらの要素を評価します。

☆Huobi Japanのセキュリティは?

仮想通貨はその性質もあって、セキュリティ面に問題を抱えています。ご存じの通り日本を含め世界各地の仮想通貨取引所はこれまで何度もハッキングや仮想通貨盗難などの問題が発生しています。セキュリティは常に、すべての仮想通貨取引所の課題になっており、トレーダーにとっても仮想通貨取引所のセキュリティは最重要事項です。
ただ、取引所のセキュリティ周りの内部体制がどうなっているのかは外から把握することができないので、Huobi Japanのセキュリティがどうなっているかは評価が難しいところです。
そこで、外部から客観的にサイトのセキュリティを計測する方法のひとつに、observatory.mozillaというサービスがあります。Mozillaは20年以上前からブラウザなどのウェブアプリケーションを開発している歴史ある専門業者です。このサービスを使うと誰でもあらゆるサイトのセキュリティ評価の採点が自動でできます。このサービスでのHuobi Japan の採点結果はこちらです。
https://observatory.mozilla.org/analyze/www.huobi.co.jp

この点数は随時変わりますが、Huobi Japanの過去の得点履歴はごく最近のものしかなく過去の推移は不明です。
記事執筆時点の点数は60点で、評価はC+です。60点と聞くと低く感じるかもしれませんが、実はとても高い得点です。
というのも、このセキュリティ評価サービスの採点は非常に辛めで20点以下の取引所もあたりまえにあり、デフォルトでは0点で、国内の仮想通貨取引所に0点の取引所が複数あります。取引所以外ではセキュリティ対策を標ぼうしている業者が0点のこともあり、日本の省庁も0点のところは珍しくありません。銀行口座にログインできるメガバンクの公式サイトが1ケタ得点だったりします。
筆者調べでは現在日本の取引所の中で最高得点はビットバンクの70点で、次いでLIQUID/QUOINEが65点です。また、筆者が知る限り最高得点の取引所はBitMEXで、調査時点では105点という異常な高得点でした。
参考までに、東京大学は15点、googleは50点です。ちなみに内閣サイバーセキュリティセンターは60点で、国内の省庁の中では突出して高いです。
このような評価基準なので60点はかなりの高得点です。とはいえ、この評価基準はセキュリティに対する様々な評価手法の1つに過ぎません。従って、この得点が高いからといって直ちに高セキュリティであるとか、逆に評価点が低いからといって直ちに低セキュリティということは言えないでしょう。
ただ、この得点が高いほうが様々な要素を幅広く気にした対応がされていることが予想されるので、筆者は個人的にこの採点もセキュリティ面の安心材料の一つとみて、それなりに気にしています。
ちなみにHuobi本家の得点は65点でB-でした。
https://observatory.mozilla.org/analyze/www.hbg.com

いずれにしても、この得点よりはるかに重要なのは顧客分の仮想通貨がちゃんとコールドウォレットで管理されているかどうかです。国内の取引所から流出した仮想通貨はいずれもホットウォレット管理のものでした。
下記ではHuobiJapanがコールドウォレット管理していることについて明記されています。
https://www.huobi.co.jp/about/security/
うがった見方をすると、本当にコールドウォレットで管理されているかどうかは外からはわからないので最終的には「信じるしかない」という世界になります。ですが、コールドウォレットでの管理をしていることがサイトに明記されていることは一つの安心材料になると思います。金融庁のチェックもあるので筆者は国内でコールドウォレット管理を明記している取引所は基本的に信じてます。いずれにしても仮想通貨取引所を使うことは、程度の大小こそあれ、不安と戦うことは避けられません。

☆Huobi Japanのスプレッドは?

スプレッドはトレーダーにとって手数料とほとんど同じ存在です。トレーダーも取引所も、スプレッドが広くて得することは何ひとつとしてありません。
記事執筆時時点のレートは
ASK 1,140,715
BID 1,135,288
となっており、5000円以上のスプレッドが開いています。
これはかなり厳しいスプレッドです。

☆Huobi Japanの板の厚さは?

板が厚い取引所ほど一度により大きな取引ができるので、資金力のある大口トレーダーが参加しやすくなり、さらに取引量が増えて板も厚くなっていくという正のフィードバックをもたらします。Huobi Japan の板は残念ながら非常に薄いです。記事執筆時時点では、1BTC売買すると、さらに1万円以上レートがずれてしまいます。

もしも数BTCのトレードをしたい場合は板の様子をみて量を調整したり、売買を分割したり、成り行きを避けて指値を置いて約定を待つといった配慮が必要になります。

☆Huobi Japanはレバレッジ取引できる?

Huobi Japanではバレッジ取引ができません。Huobi本家はBTCのみならずアルトコインまでが現物と共有の板でレバレッジできる非常に魅力的な環境だけに惜しいです。

☆Huobi Japanの取引手数料は?

Huobi Japanのビットコインの取引手数料は無料です。一方、アルトコインの取引手数料はMakerとTakerで異なります。
スプレッドがかなり大きめで板が薄いので、さらにこの手数料が上乗せされるのは少々つらいところです。

また、取引所の手数料はよく変更されます。
最新の手数料やアルトコインの取引手数料については
https://www.huobi.co.jp/support/fee/
をご確認ください。

☆経営母体が強力であるか

仮想通貨取引所は上場企業の関連会社であることがあります。Huobi Japanは上場企業の関連会社ではありません。
ハッキングや盗難などの大きな問題が起こったとき、補填などで頼れるバックがいるのは安心要素につながります。上場企業に関連していないからと言って補填がないわけではありませんが、上場企業の関連会社であることは安心要素の一つだと思います。
ただ、Huobiグループはとても規模の大きな取引所でいくつものブロックチェーン関連ビジネスを手掛け、ファンドを持ち、香港の上場企業「桐成控股」の筆頭大株主にもなっており、単なる上場企業よりよほど大きな会社です。

■Huobi Japanのメリット・デメリット

〇ビットコインの取引手数料が無料
〇リップルをはじめさまざまなアルトコインが取引できる
×スプレッドが大きい
×出来高が小さく板が薄い

■Huobi Japanのまとめ

Huobi Japanは出来高の少なさやスプレッドの大きさを考えるとメインの取引所として使うのは難しいかもしれません。現状ではアビトラ狙いに備えて口座を持っておくことは用途になるかもしれません。何らかの形でHuobi本家の取引環境が手に入れば一気に日本最高になってしまう可能性があるくらい、本当に魅力的なのですが…。たとえばHuobi本家側のレートでカバーするなどしてHuobiJapanがMMで入ってくれたりすれば板も一気に分厚くなり魅力的な板になると思います。USDTが絡むので難しいのかもしれません。
世界有数規模の日本の仮想通貨マーケットをこのまま逃すのはもったいないでしょうから、Huobi本家やHuobiJapanには何らかのアクションを期待したいところです。

(記事の内容は執筆時時点の筆者調べの情報です。最新情報は各位ご確認ください。)