
BTCBOXの出来高は?
BTCBOXの出来高はあまり大きくなく、普通に取引する場合はあまりいい環境とは言えません。1日の出来高が数千BTCになったり、翌日に1BTC未満になったり、かなり不安定です。
ただ、BTCBOXには他の取引所とレートが乖離しやすいという特徴があります。つまり、アビトラには向いています。
■BTCBOXでアビトラをしたい場合は?
BTCBOXは他の取引所とのレートがかなりズレやすい取引所で、価格差も大きくなりやすいです。
メインの取引所にはあまりお勧めできませんが、ビットコインのアビトラをやる場合はBTCBOXの口座を持っておいて損はないと思います。1BTCの価格が5000円~10000円開くことも珍しくなく、過去には10万円以上開いたこともあります。
■BTCBOXはリップル(XRP)の取引ができない
日本ではビットコインに次ぐ人気があるリップルですが、残念ながらBTCBOXではリップルが取引できません。
リップルを取引したい場合はビットバンク、LIQUID(QUOINE)、GMOコインを使いましょう。ビットポイントでもリップルの取引ができますが、2019年7月12日の仮想通貨流出事件を受け、記事執筆時点ではリップルを含む全取引が停止されています。
いい仮想通貨取引所の要件を評価
筆者が考えるいい仮想取引所の条件は次の通りです。
①セキュリティの高さ ②スプレッドの小ささ ③板の厚さ ④レバレッジ取引ができるかどうか ⑤手数料の安さ ⑥経営体の強さ
BTCBOXについてこれらの要素を評価します。
☆BTCBOXのセキュリティは?
仮想通貨はその性質もあって、セキュリティ面に問題を抱えています。ご存じの通り日本を含め世界各地の仮想通貨取引所はこれまで何度もハッキングや仮想通貨盗難などの問題が発生しています。セキュリティは常に、すべての仮想通貨取引所の課題になっており、トレーダーにとっても仮想通貨取引所のセキュリティは最重要事項です。
しかし、セキュリティが向上したかどうか。取引所のセキュリティ周りの内部体制がどうなっているのかは外から把握することができないので、BTCBOXのセキュリティがどうなっているかは評価が難しいところです。
そこで、外部から客観的にサイトのセキュリティを計測する方法のひとつに、observatory.mozillaというサービスがあります。Mozillaは20年以上前からブラウザなどのウェブアプリケーションを開発している歴史ある専門業者です。このサービスを使うと誰でもあらゆるサイトのセキュリティ評価の採点が自動でできます。このサービスでのBTCBOX の採点結果はこちらです。
https://observatory.mozilla.org/analyze/www.btcbox.co.jp
この点数は随時変わります。BTCBOXの過去の得点履歴を見ると一度は40点だったこともありますが、
記事執筆時点の点数は0点で、評価はFです。ただしこのサービスの採点は非常に辛めで20点以下の取引所もあたりまえにあり、デフォルトでは0点です。国内取引所にはほかにも0点の取引所があります。ただ、0点なので残念ながら高い得点とは言えません。
取引所以外ではセキュリティ対策を標ぼうしている業者が0点のこともあり、日本の省庁も0点のところは珍しくありません。銀行口座にログインできるメガバンクの公式サイトが1ケタ得点だったりします。
筆者調べでは現在日本の取引所の中で最高得点はビットバンクの70点で、次いでLIQUID/QUOINEが65点です。また、筆者が知る限り最高得点の取引所はBitMEXで、調査時点では105点という異常な高得点でした。
参考までに、東京大学は15点、googleは50点です。ちなみに内閣サイバーセキュリティセンターは60点で、国内の省庁の中では突出して高いです。
このような評価基準なので0点が最悪に危険な得点とは必ずしも言えないと思います。基本0点になるような厳しい評価です。この評価基準はセキュリティに対する様々な評価手法の1つに過ぎません。従って、この得点が高いからといって直ちに高セキュリティであるとか、逆に評価点が低いからといって直ちに低セキュリティということは言えないでしょう。
ただ、この得点が高いほうが様々な要素を幅広く気にした対応がされていることが予想されるので、筆者は個人的にこの採点もセキュリティ面の安心材料の一つとみてそれなりに気にしています。
いずれにしても、この得点よりはるかに重要なのは顧客分の仮想通貨がちゃんとコールドウォレットで管理されているかどうかだと思います。本当にコールドウォレットで管理されているかどうかは外からはわからないので「信じるしかない」という世界になります。
仮想通貨取引所を使うことは、程度の大小こそあれ、不安と戦うことは避けられません。
☆BTCBOXのスプレッドは?
スプレッドはトレーダーにとって手数料とほとんど同じ存在です。トレーダーも取引所も、スプレッドが広くて得することは何ひとつとしてありません。BTCは出来高があまりなく、スプレッドも広めです。
☆BTCBOXの板の厚さは?
板が厚い取引所ほど一度により大きな取引ができるので、資金力のある大口トレーダーが参加しやすくなり、さらに取引量が増えて板も厚くなっていくという正のフィードバックをもたらします。BTCBOX の板は残念ながら薄めです。数BTCのトレードをしたい場合は板の様子をみて量を調整したり、売買を分割したり、成り行きを避けて指値を置いて約定を待つといった配慮が必要です。
☆BTCBOXはレバレッジ取引できる?
BTCBOXでは少し特殊な方法で疑似的なレバレッジ取引ができます。BTCの貸し出し機能というものがあり、証拠金を日本円で預けて手数料を支払うことによりBTCを借りることができます。この借りたBTCを売ることで疑似的に売りから入ることができ、レバレッジ取引と似た取引が可能になります。借りたBTCは返却の際もBTCで返します。したがって、1BTCを借りて売却した場合、値下がりすれば買い戻して返却することで利益が出ます。逆に値上がりすれば損失になります。また、BTCの借り入れには0.2~0.5%程度の手数料がかかります。
☆BTCBOXの取引手数料は?
BTCBOXのビットコインの取引手数料は0.05%、アルトコインの取引手数料は0.1%です。
スプレッドがかなり大きめで板が薄いので、さらにこの手数料が上乗せされるのは少々重いです。
BTCBOXを含めた手数料比較の一覧表を掲載しますのでご参照ください。
また、取引所の手数料はよく変更されます。上記の表は執筆時点のもので、アルトコイン現物の取引手数料も含まれていません。最新の手数料やアルトコインの取引手数料については
https://blog.btcbox.jp/fees-introduction
をご確認ください。
☆経営母体が強力であるか
仮想通貨取引所は上場企業の関連会社であることがあります。BTCBOXは上場企業の関連会社ではありません。ハッキングや盗難などの大きな問題が起こったとき、補填などで頼れるバックがいるのは安心要素につながります。上場企業に関連していないからと言って補填がないわけではありませんが、上場企業の関連会社であることは安心要素の一つだと思います。
■BTCBOXのメリット・デメリット
〇仮想通貨借り入れを使った疑似的なレバレッジ取引が可能
〇他の取引所との価格差が開きやすいのでアビトラのチャンスが増える
×出来高が不安定
×スプレッドが大きい
×リップルが取引できない
■BTCBOXのまとめ
BTCBOXは出来高の少なさやスプレッドの大きさや手数料を考えるとメインの取引所として使うのは難しいかもしれません。仮想通貨借り入れを使うことでレバレッジ取引に似たことをできますが、ひと手間二手間かかる特殊な方法なので玄人向きです。
ただ、他の取引所の価格差が開きやすい傾向があるのでアビトラをしたい人は口座を持っていても損はないと思います。筆者もたまに使っています。
(記事の内容は執筆時時点の筆者調べの情報です。最新情報は各位ご確認ください。)