
■仮想通貨の騰落と仮想通貨取引所の変遷
2018年1月の仮想通貨バブル崩壊以降、ずっとくすぶり続けて一時はオワコン扱いの向きもあった仮想通貨(暗号資産)ですが、今年4月の初めに息を吹き返し、6月にいたってはさまざまなプラスのニュースがあり、仮想通貨マーケットは大いに盛り上がりました。
それに伴って取引所の勢力図も大きく変化しつつあります。
バブル崩壊前は世界最大規模の取引所だったコインチェックはハッキング事件で大きく取引量を減らしましました。
現在コインチェックには当時の勢いはないものの、取引量は徐々に戻りつつあります。
流出事件をきっかけにコインチェックではレバレッジ取引ができなくなってしまいました。
これはコインチェック復活の大きな妨げになっているのではないかと思います。
また、ZAIFも一時期は大きな取引量を誇っていましたが、流出事件以降取引高が減少しました。
その後のトップ争いはbitflyerとQUOINEの競り合いとなり、ビットコイン・BTCの現物・レバレッジ取引の覇権はQUOINEが、BTCFXの覇権はbitflyerが、リップル・XRPの覇権はビットバンクが獲得したように思います。
しかし、この流れを変えるかもしれない注目の取引所があります。それはGMOコインです。
■サービス開始当初のGMOコイン
かつて、GMOコインで可能な仮想通貨取引は為替でよくみられる相対方式のビットコインFXと、スプレッドが非常に大きい販売所方式の2通りでした。
いずれのも取引の際には板をつかわず、売りと買いそれぞれ1つずつだけ提示されたレートで、取引上限まで一度に売買できるという方式です。
しかし、この方式は仮想通貨には相容れませんでした。
為替のように取引高の多い銘柄であればこのような方法でもよかったのかもしれません。
しかし、仮想通貨のように取引高があまり大きくない銘柄で相対方式を行うとどうしてもスプレッドが大きくなってしまうという致命的な問題を抱えてしまうためです。
その結果、GMOコインはイマイチ流行りませんでした。
レート提示方式のDMMビットコイン、SBIVCも同様にあまりユーザー受けはよくない印象でした。
筆者はSBIVCに大きく期待していたので、相対のレート提示方式と知ったとき、大いに落胆した記憶があります。
少なくとも仮想通貨取引ではレート提示方式だとスプレッドが広がりすぎてしまい、ユーザーにとってはあまりメリットがなく、使う人も限られてしまいます。
※ただし、SBIVCの方式は盗難に対しては強固なので、その点に大きなユーザーメリットはあります。
どうかSBIVCが板取引を開始してくれるよう切に願っています。
もしもSBIVCで板取引が始まり、APIが使えるようになれば仮想通貨取引所の勢力図は再び大きく変わるでしょう。
話戻って、GMOコインは世界一のFX取引量を誇るGMOクリック証券の関係会社です。
FXのノウハウを生かすためにも、変なリスクを負わないためにもレート提示方式のまま良かった面もあると思います。
ただ、それだとどうにもユーザーが限られてしまいます。
もちろんGMOコインさんにとってそんなことは百も承知だったでしょうが、取引所取引の方式・板取引の方式では運営者にとってもそれなりにリスクが大きくなります。
しかし、FXだけならまだしも、仮想通貨販売所を併設して仮想通貨を保有する以上、相応のリスクテイクをすでにしていたとも言えます。
やはり、仮想通貨販売所のビジネスはほとんど終わったと思います。
仮想通貨販売所はスプレッドが非常に大きいためです。
数%のスプレッドは当たり前で、下手すると10%くらい開いているとんでもないものも珍しくありません。
かつてのバブル期のように異常な勢いで毎日暴騰するような市場環境であれば、莫大なスプレッドを無視してでも早く買いたいという需要はあったかもしれません。
しかし今はそこまでして勝っても確実に損をするのでよほどのことがない限り販売所は利用しないでしょう。
となると仮想通貨FXしかありませんが、そこはビットフライヤーとBITMEXという巨人がすでに存在します。
そしてこの2か所はいずれも板取引方式で参加者が多く、スプレッドは狭めです。
仮想通貨は為替に比べれば取引金額がないにも等しいくらい小さい上に、ボラティリティが異常に大きいため、レート提示方式を採用すると、どうしてもスプレッドが大きくなってしまいます。
(スプレッドを小さくすると運営側のリスクが大きくなりすぎてしまうので狭めるにも限度があります。)
仮想通貨バブル崩壊以降の仮想通貨のユーザーはスプレッドに厳しめで、取引所に対して板取引を求める傾向がより強いように思います。
その需要が伝わったのか、2018年の秋にようやくGMOコインも板取引に対応してくれました。
■GMOコインが急成長中!これから始めるならイチオシ
前述したとおり、関連会社のGMO証券には多くの為替トレーダーがおり、環境さえ整えば仮想通貨を取引したいという潜在需要はそもそも高かったと思います。
GMOの板取引はQUOINE・LIQUIDと同じように現物取引とレバレッジ取引があります。
現物取引の出来高は確認できませんが、レバレッジ取引の出来高はチャートで確認できます。
GMOコインのレバレッジ取引の、BTC/JPYの取引量推移を月次で見てみましょう。
【板取引が開始して以来のGMOコインでの月次の出来高(BTC)】
板取引が開始して以来のGMOコインでの月次の出来高を表にまとめました(※有効数字3ケタ表示)。
このように開始以来順調に取引量が増えています。
1月に一度取引量が急落していますが、おそらくレートの低迷の影響で参加者が減ったことが大きいのではないかと思います。
その後、レートの回復とともに再度上昇に転じています。
6月で再び減少したのはレートが上がりすぎたせいで1BTCあたりの金額が上がりすぎたことが原因ではないかと思います。
察するに、取引量(BTC)は減っても取引金額(円)は増えているように思います。
【GMOコインの月次チャート】
株の色が薄いバーは出来高です。
一度減少に転じた出来高ですが、レート暴騰に沿って再度増加に転じ、急上昇していることが読み取れます。
■GMOコインのおすすめ要素
筆者は仮想通貨では主にアビトラでそれなりの利益をあげてきました。
アビトラでは複数の取引所を使えることが重要になります。
そのためこれまで多くの取引所を使ってきましたが、その経験からするといまのGMOコインはかなりイケてます。
今後もまだまだ伸びそうです。
もしかしたら2019年の年末には日本のトップ取引所になっているかもしれません。
私の考えでは、ユーザーが集まる仮想通貨取引所の要件は次の通りです。
① スプレッドが小さい
ユーザーにとってスプレッドは手数料と同じです。
取引所の手数料が無料でもスプレッドが大きければ、ユーザーにとっては実質的に手数料が高いのと同じことです。
スプレッドが小さい取引所≒手数料が安い取引所 なので、スプレッドが小さい取引所が好かれるのは自明です。
参加者が多いほどスプレッドが小さく魅力的な取引所になります。
② 板が厚い
①と重複しますが、参加者が多いほど板が分厚くなり、魅力的な取引所になります。
板が厚い取引所ほど一度により大きな取引ができるので、資金力のある大口トレーダーが参加しやすくなり、さらに取引量が増えて板も厚くなっていくという正のフィードバックをもたらします。
③レバレッジ取引が可能
レバレッジ取引が可能になることで2つのメリットが発生します。
一つめは少ない金額で大きな取引ができます。
ただし仮想通貨はボラティリティが異常に高いので危険と隣り合わせです。
もう一つのメリットは空売り(ショート)ができるようになることです。
値動きの大きい銘柄は買いだけでなく売りのチャンスもたくさんあります。
筆者も、どちらかというと仮想通貨では暴落局面にショートを活用して利益を上げてきました。
レバレッジ取引ができることは仮想通貨トレーダーにとっては非常に重要です。
日本で板取引のレバレッジ取引ができるのはQUOINE、ビットポイント、bitflyer、ZAIF、そしてGMOコインです。
ただし、bitflyerのレバレッジ取引はBTCFXおよび先物という、かなり特殊な銘柄です。
ZAIFも同様にレバレッジ取引はかなり特殊な銘柄です。
また、コインチェックはかつて非常に優れたレバレッジ取引を提供されていましたが、残念ながら現在コインチェックのレバレッジ取引は停止されています。
ツイッターでもコインチェックのレバレッジ取引復活を望む声は少なくありません。
④取引手数料・ポジション料が安い
取引手数料の安さは重要です。
レバレッジ取引は手数料が無料なことが多いですが、代わりに別途ポジション料がかかります。
売りまたは買いでポジションを持っていると、一定時間ごとに保有量に比例した手数料がかかる仕組みです。
QUOINE/LIQUIDのポジション料は1日0.1%で、8時間ごとに0.033%かかります。
つまり1ビットコイン100万円のときに2BTCをレバレッジで保有すると、
1日あたり1000円かかります。
保有時間が長い人にとってポジション料はそこそこ重いです。
bitflyerのポジション料は1日0.04%と、LIQUIDより安いです。
GMOコインもbitflyerと同じ1日あたり0.04%と、安めの設定です。
ただし、この手数料は2019年7月1日現在の情報です。
ポジション料は割とよく変更されるので注意してください。
⑤経営母体が強力
ご存じの通り、仮想通貨取引所は常にハッキングリスクとの戦いで、セキュリティ面に大きな課題があります。仮想通貨取引所は頻繁に事故っています。
何か大きなトラブルがあったときにちゃんと保証してくれるのかどうかという問題はどのトレーダーにとっても無視できない問題です。
その点では、GMOコインはGMOクリック証券を含むGMOグループなので安心度が高めです。
以上のようにGMOコインは好条件が多く、今後も伸びていくだろうと見ています。
もし筆者がこれから仮想通貨を始めるならGMOコインをメインの取引所にするでしょうし、もし知人に1か所だけ取引所をすすめるとしたらGMOコインをすすめます。
また、もしもアビトラをやるのであれば問答無用で持っていたほうがいいでしょう。
アビトラには口座を持っている取引所数が正義という側面があります。
まだGMOコインの口座をお持ちでない方はぜひ一度口座開設をご検討ください。